副官シリーズ 執事と私 ------------------------------------------------------------ 「いいか皆の者、お嬢様をお守りするんだ!」 船首で海賊船に剣を向けながら大声で叫んでいる老紳士、彼の名はセヴァスチャン。 つい最近船に乗る様になったのだが、船員達の信頼は厚い。 「爺や、敵船の様子は?」 船長室のドアを開けて出てきた箒を持った女船長。彼女の名前は椿=月読。 そして老紳士は彼女の執事である。 椿が小さい頃からの教育係であったが、椿が「船に乗りたい」と言い出した時も 「万が一の事があったら」と彼女の両親がお目付け係としてつけたらしい。 幸い椿もセヴァスチャンの事を気に入っていたし、セヴァスチャンも「お嬢様の為なら」と即答したのだった。 船に乗り始めた椿は商人として縫製を覚え、あちこちの街で繊維や織物を売りさばきながら 「敵船はバルシャ3隻、余裕ではあるが気を抜くな!」と海賊退治にも気合が入っていた。 若き女船長の姿はもちろんあっという間に有名になり、当然ながら椿を狙うものも出てきた。 ところが椿はもちろんの事、執事であるセヴァスチャンが強敵で 持ち前の体格は新米船員を遙かに超えていて、なかなかの威圧感があった。 「お嬢様、敵船を拿捕しましたぞ!」 セヴァスチャンの的確な指示のお陰であっという間に敵船は拿捕。 今日もうまい酒が飲めるぞ、とお互い言い合っていた船員達だったが・・・ 「・・・む、曲者!お嬢様船室へお隠れください!」 セヴァスチャンは船の側壁へ行き、海を覗き込むと躊躇わず空砲を打ち鳴らした。 空砲の音が聞こえるが早いか、曲者の影はあっという間に消え去ったのだが 曲者の影を見たセヴァスチャンは血相を変えて海に向かって叫んだ 「またお前かハンス!お嬢様は渡さぬと言ったはずだー!」 果たしてその声がハンスに届いたどうかは定かではない。 ------------------------------------------------------------ 「副官」で何か書きたかったんですよね 椿さんとこの爺こと執事セヴァスチャンが既にキャラ確立済みで 書きやすいかも?と思って書いてたら何だか楽しく・・・@@ シリーズものとして本当に今後続くかどうかは読んでもらった方の反応次第ですorz